top of page
検索
walker1952

『平和な世界に向けて』(改訂版)

更新日:7月21日

 

<モノガタリと歴史>

ひと昔前、「愛は地球を救う」なんて、よく言われていました。でも最近は

あまり聞かれなくなってしまいました、なぜなのでしょう。割と簡単な

ことです。「愛」も「心」も、人間の認知能力を超えた、とても難解なものだ

からです。

それらに比べれば、「モノガタリ」は、はるかに明解です。

「モノガタリ」は、「心」そのものではないですが、「心」を直接に反映した

何物かであることは確かです。だから「愛する」ことの意味は分からなくても、

「相手の固有のモノガタリ=相手のナラティヴ」を見詰めることで、

人間はある程度、相手の「心」を理解し、「愛」を語れるのです。

 

ここ四百年ほど、世界は「近代合理主義」の思想の影響下にありまし

た。それは、「心」や「愛」を無視した、生命全体を不幸に陥れる思想でし

たし、ひいては人類自体を滅亡に追い込む思想でもあると言えます。

早急に「心」や「愛」を中心にした、つまり「モノガタリ」を中心とした思考

へと軸を移さなければ、人類の未来はないでしょう。

 

<核兵器と現代>

第二次世界大戦が終わって79年が経とうとしていますが、いまだ往時の

「常識」を振りかざす人がいます。それは「通常兵器も武力だ」という「常

識」です。

核兵器は通常兵器に比べて一千万倍の威力があります。この圧倒的

な威力の差に目をつぶって「平和」を語るのはナンセンスです。

現代においては「核兵器」だけが「武力」であり、「通常兵器」は、「警察

装備品」または「保安装備」と、考えるべきでしょう。

 

<平和憲法と核兵器>

「通常兵器は警察装備品である」と解釈すれば、日本の現在の憲法の

「戦力非保持」の原則も守れていますし、防衛予算の倍増も、決しておか

しなことではない、と分かるはずです。

今の時代は、「近代」から、次の時代(僕はそれを個人的に「新生代」と

呼んでいます)への過渡期です。けれど、いまだ旧態の「古い近代国家」

が幅を効かせています。これらの「近代」の断末魔とも言える状態から身

を守るためには、ある程度の「警察装備品」は、どうしても必要なのです。

そのことをはっきりさせた上で、改めて「平和憲法堅持」の姿勢を貫き、

積極的に世界平和に貢献していくべきだと、僕は考えます。

 

<国際連合と平和>

ウクライナ戦争やイスラエル動乱を見ていると、今の国際連合には、世

界の平和を維持する力がないことは、もはや明らかだと思います。ウクラ

イナ戦争ではロシアが、そしてイスラエル動乱ではアメリカが拒否権を発

動しています。

 

「国際連合」は第二次世界大戦の戦勝側である「連合国」が戦後処理

として、作った組織です。そして、実は国際連合では、日本はいまだに、

「敵国」扱いなのです。つまり国連というのは79年前の国際関係を保っ

たままの、古いシステムと言えるのです。

最も問題なのは、「五大国の拒否権」というルールです。

アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の五大国のうち、一つでも

総会決議に反対すると、その案は廃案になってしまうのです。

 

国際連合の五大国は、核武装の度合いも、上位五位を占めています。

これらはみな「古い近代国家」です。彼らに世界の舵を取れないのは明ら

かです。彼らはおしなべて、「自国の力さえ伸びればよい」という、近代国

家のナラティヴ(その国特有のモノガタリ)を持っているからです。

 

<非核同盟>

このような観点から、僕は「非核同盟」を立ち上げることを提案します。

非核同盟の盟主はもちろん日本です。日本にはそうなるべき歴史的役割

があります。とりあえず6つの理由を挙げておきます。

① 唯一の被爆国であること。

② 新しい時代を引き寄せる「モノガタリ」大国であること。

③ 平和憲法を持っていること。

④ 同盟各国とともに、経済発展していく力があること。

⑤ 他国家に対して基本的に差別意識がないこと。

⑥ 特定の宗教の影響が薄いこと。

これらを勘案すれば、日本がリーダーシップを執って平和の

旗を振らなければ、世界が奈落の底に落ちて行くのは明らかです。

 

<ヒロシマ・ナガサキ>

非核同盟の本部は、もちろんヒロシマ・ナガサキに置くべきです。

ヒロシマ・ナガサキは、「人間に向けられてはいけない」はずの

核爆弾を浴びてしまった悲しい被災の地であると同時に、核廃絶に

向けての『聖地』でもあるのです。

その意味で、ヒロシマ・ナガサキは、新しい時代へと向かう、

人類の出発点になるべき場所だと、僕は確信しています。

===    ===   ===    ===   ===    ===   ===    ===

モノガタリと人間の関わりについては、この下の「存在とナラティヴ」

を参照してください。少し長いですが。

閲覧数:22回0件のコメント

最新記事

すべて表示

存在とナラティヴ

野中恭平 第一部 古いタイプの「魔法の眼」と近代合理主義 ① 失われた『魔法の眼』 まずは、「古いタイプの『魔法の眼』」について話してみたいと思います。『魔法の眼』自体は、本当に大昔からある、誰でも持っていて、人の心を感じたり、人間の生きていく意味をイメージしたり、未来を...

過去ログ

・・・・・・明日へのモノガタリ11-20/18は欠 明日へのモノガタリ(11): 不安 四月病、五月病、と言われる「漠然とした不安」から来る、 心の病いが結構蔓延しているようです。 まあ、このエリアにお越しいただいている方の多くはディズニ...

Comments


記事: Blog2_Post
bottom of page